13年目のやさしい願い
「聞こえてる? 叶太くんと別れてって言ったんだけど」
まるで、そうすることが当然かのように、その子は言った。
わたしは何を言われたのか、聞き返すこともできず、ベッドに横になったまま、ぽかんと彼女の顔を見るしかできなかった。
「ねえ、聞いてるの?」
どれくらいの時間、呆然としていたんだろう?
その子は、呆れたように言ってきた。
「………聞こえ…ました」
そう応えるだけで、精一杯だった。
あまりに威圧的な物言いに、年上なのか分からなかったけど、思わず丁寧語で返事をしていた。
「そう。……で?」
「え?」
「聞こえてたんでしょう?」
またしても、人をバカにしたような言いよう。
彼女は数秒の後、呆れたようにわたしを見て、ふうっとため息を吐いた。