13年目のやさしい願い
「何かしてきたも何も……」
オレの苦々しい表情を見て、兄貴は手招きをした。
誘われるままに兄貴の部屋に入り、聞かれるままに今日の出来事を洗いざらいぶちまけた。
「で、おまえ、親父に後始末を頼んできたわけだ」
「……後始末、じゃないけどね」
「いや、後始末だろ? 釘を刺すって言ったら、親父のこったから、そりゃ徹底的にやるだろ」
「そうかな?」
親父のことだから徹底的に……って、兄貴、親父のこと、どんなヤツだと思ってんの?
まあ、オレから見ても、イマイチ読めない人だけど。
「牧村さんに申し訳ないって言ってたくらいなら、そりゃやるだろ?
……そうだな。例えば、おまえの学校から、相手の女の子の学校に対して、不法侵入のことを抗議させるとか」
「なるほど! その手があったか!」