13年目のやさしい願い
「……え? オレ、そんなことしてる?」
「してるしてる。でもって、ちゃんと自分の望みを叶えてるよな」
自分で努力しないで、人にさっさと頼って望みを叶えるなんて、……なんか、かなりイヤなヤツじゃない?
ってか、兄貴、そんなじと目で見るなよ。
「やっぱり、自覚なしか」
「自覚ってか、オレ、努力して何とかなることなら、ちゃんと努力してる……つもりだけど」
「確かに、してるよな。できることは、ちゃんとやってるから、頼んだ相手に協力してもらえてるんだろうな」
「そう? ならいいけど」
一息ついてから、思わず兄貴に言い訳する。
「……だってさ、オレ一人の力なんてたかだか知れてるし、できないことは、できる人に頼むしかないじゃんね?」