13年目のやさしい願い


明兄、おじさん、おばさん!!



「……う、わっ! えっと、……おはようございます!」



慌てて挨拶をすると、おばさんは小さく吹き出し、おじさんは苦笑いをした。



「私たちがいることに気がついて、挨拶してるのに、陽菜は離さないのね?」



おばさんがおかしそうにクスクス笑う。



「あ、……えーっと、」



慌てて、いやそんなことは……と言い訳しようにも、何も出てこない。

何しろ、オレはとにかくハルが大好きで、愛しくて仕方なくて、側に誰かいるからってハルから手を離すとか、あり得ないって思ってるから。

いつも、そんな風に周りを気にするのはハルの方。

でも、今日に限って、ハルも困った顔などしていなかった。



ああだけど、やっぱり明兄とおじさんの前では遠慮するべきだった!?



オレはそっとハルの身体を解放した。

そして代わりに手をつないだ。

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