13年目のやさしい願い
わたしは、後、何年生きられるのだろう?
自分は長生きできないのだと、幼い頃から、何となく察していた。
中学生になった年、初めて、余命宣告を受けていたことを聞いた。
教えてくれたのは、おじいちゃんだった。
生まれてすぐの手術。
「小さな身体で、本当に頑張ったんだぞ」
失敗していたら、命はなかった。
おじいちゃんは愛しげに、わたしの頭をなでた。
1歳まで、3歳まで、10歳まで。
どれも、乗り越えてきたから、おじいちゃんは教えてくれた。
ムリをしないで、身体をいたわって、毎日を大切に過ごすようにと。
10歳の誕生日、おばあちゃんが密かに涙ぐんでいたのを見た。
1/2成人式の年だから、そんなものかと思っていた。
そうじゃなかったんだ。
そうか、あれは、そういう涙だったんだと、おじいちゃんの言葉から、ようやく理解した。