13年目のやさしい願い
「陽菜ちゃん、束縛されるのが好きなタイプ?」
ぶっ、と思わず吹き出す。
ハルもポカンとした顔をしている。
それから、ハル、左右に首を振った。
「だよね? じゃあ、こんなのやめて、オレにしなよ」
ちょっと待て!
束縛してるのって、オレかよ!?
「昨日の言葉、オレ、本気だよ」
そいつは、またハルの手を取った。
待て待て待て待て!
昨日の言葉って、なんだ、そりゃ!?
昨日入学して、もう告白済みってことか、おい!!
それとも、昔からの知り合い!?
いや、ハルの様子からして、それはないだろ?
オレは、速効、ハルの手を奪い返す。
今度は、ハルも何も言わなかった。