男だったら
「伊東……」


伊東?


顔を上げると、武藤監督の隣に野球部のユニフォームを着た冷たい感じの男の人。


「本人が倒れないって言ってますし」


肌も白人みたいに白いし、髪も坊主じゃない。


野球部っぽくない人だなぁ……と思いながら見ていると、バチッとその男の人と目があった。


「なっ?」


「えっ? あっ…はい」


いきなり同意を求められ、戸惑いながらも頷く私。


「なら、断る理由はないじゃないですか」


「しかし……」


「大丈夫ですよ、監督。
俺が倒れさせませんから」


「ん~………」


武藤監督が腕を組み考え込む。




そしてしばらくすると武藤監督が口を開いた。



「……分かった。

入部を認めよう」

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