適当魔法少女・りおん
安堵、切なさ、嘘、後悔――――複雑に組み合わされた別れの言葉――――。
「チュッ――――」
柔らかい感触が、りおんの唇に伝わる――。
「契約完了――――」
「ちょっ――」
咄嗟にステッキさんを突き飛ばすりおん――。
「な、な、な、何してるんですかぁ――キ、キ、キスしたよね今――」
激しく動揺し、顔を赤らめる――同世代の女の子の気質とはやや異なるりおんだが、意識に潜む「女」が一瞬、姿を現し、この年頃に適合する表情と言葉となってりおんの心を震わせた――――。
「ふふふ――キスしたさ、あぁキスしましたよ――甘かったな――隙を見せたりおんの負けだよ――」
開き直った様な口調で言い、ステッキさんはりおんを見つめる――。
「う、うぐぅぅ――」
可愛らしく唸るりおん――。
「キ、キスしたね――まだ誰にもキスされた事なかったのに――」
「それが甘ったれだと言うんだ――キスもされずに一人前の魔法少女になった奴が、何処にいるものか――」
ネタを、ネタで返す――――。
互いに何も言わず、時が過ぎてゆく――。