On Your Marks…~君と共に~


「なぁ、澪。陸上ってな、走るだけじゃないんだぜ?選手だけが陸上をやってるわけじゃない……俺の言っている意味わかるか?」



お父さんは再び、はぁーとため息交じりに椅子に座った。


あたしは記事を小さく折りたたんで、手にしっかりと握る。



「わかんない」



選手だけが……陸上をやっている訳じゃない……



どういうこと?




「お前は、頑張った。やるだけのことはやった。だからな、_______…………」




そのあと父の言った言葉にあたしは、怒りを覚えた。



人生で初めて、あたしは父に反抗した。



異国の病室であたしは叫んだ。



きっと、あたしの担当医のこの中年男性はビビっただろう。


だって、あたしとお父さんが自分の知らない言語でけんかを始めたのだから。





最後にお父さんは、病室のドアをぴしゃりと占めて出て行ってしまった。




残されたのは、言い合いに疲れたあたしと、戸惑うあたしの担当医。



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