On Your Marks…~君と共に~
「うるせえよっ!今からなるんだアホっ!お前は黙って走ってろっ」
俺は川口に向かって、そう叫び返した。
俺の顔は自然とほころんでいた。
「ふっ…10秒台は伊達じゃなかったな…」
そういって、鼻で笑いながらも、シマが俺の肩に手を置いてきた。
「よし…とりあえず、これで、4継も可能になったし、マイルも最高のコンディションで走ることが可能になる。今までは、俺ががマイルも4継も走っていたからな。
勝木。お前の才能が飛びぬけていようが、劣っていようが、そんなのは関係ない。これから一緒に戦っていく仲間として、お前を快く迎え入れる。
よろしくな、10秒台のスプリンター」
そういって、直樹先輩がバシっと俺の背中を強くたたいた。
「ういっすっ」
俺は自然と返事をする。
これからまた走れる。
俺はまたここで走れる。
ここならなんとなく大丈夫な気がした。
強くなれる気がした。
今よりも、もっと、もっと。
__今日から始まる俺の新しい未来。その一歩を俺は踏み出したんだ。…自分の足で。