On Your Marks…~君と共に~
「いや、いいんだ。あれは仕方なかった。…で、そちらは?」
「ああ、ただのクラスメイトです。御気になさらず。」
その瞬間あたしは瞬の背中をバシッ強めに叩いた。
瞬は一瞬顔をゆがめる。
「…そうか。あ、瞬。俺に見てもらいたいものってなんだ?」
「俺の走りを…見てほしいんです。あの時の俺とどこが違うか。」
あたしは瞬を見上げた。
瞬の横顔は、凛々しくて、しゃんとしていた。
いつの間にか瞬はスプリンターに戻っていた。
風になる準備を着々と自分で考えて、進めていた。
「そうか…わかった。じゃあ、お前1人で走るのもなんだから、うちの今のチームで速い奴と一緒に走れ。うちのショートは強いからな。
トップ3は皆11秒台だ。どうだ?」
コーチの顔がにやりとなる。
「はい、望むところですよ。」
そういって、瞬もニヤリと笑った。