On Your Marks…~君と共に~
視界が開けた。
スタンドから見えた景色はあのころと何も変わってはいなかった。
山々に囲まれたこの競技場。
空の青と、山の緑と、トラックの赤茶色。
この色のトライアングル。
確かに覚えてる。
忘れたことのないこの景色があたしの目の前に今広がっている。
何度も脳裏にフラッシュバックした景色が今あたしの目の前にある。
ここで、あいつは風になってあたしの目を奪った。
あの風が、あたしの何もかもを引き付けて離さなかった。
綺麗なキラキラと輝く風だった。
あたしは、あの時と同じように、スタンドの前の手すりに身を乗り出す。
トラックを駆ける選手はみんなキラキラしてた。
一生懸命で、楽しそうで…だけど、皆、何かしら悩みを抱えていて…
そうやって人は成長していく。
そうやって人は前へと進もうとする。