On Your Marks…~君と共に~
「楽しめよ。」
「…っふ…偉そうに言いやがって…」
そういいながら、瞬はあたしに背を向けて、スタートラインへとゆっくり向かってゆく。
風を取り戻せ…瞬。
あたしは、遠ざかってゆく瞬の背中に小さくつぶやく。
「じゃ、瞬。お前は、3コースでいいな?」
瞬はその言葉にうなずき、3コースへと移動する。
瞬と同じスタートラインに立ったほかの中学生は、やはり、中学生であって、瞬よりは小さくまだあどけなさが残っていた。
きっと、あの時あたし見たときの瞬も、こんな風にあどけなかったのかと考えると少しおかしな感覚に陥る。
だって、あの時見た瞬は、誰よりも速くて…
誰よりもキラキラと輝いていて…
誰よりもかっこよかったから。