On Your Marks…~君と共に~


周りの中学生は、ちょっと跳ねて見たり、体を伸ばしてみたりしているのに、瞬はピクリとも動かない。


まるで、瞬の周りだけ時間が止まっているかのように。



ひたすら前の一点を見つけている瞬。


その一点の先にあるのは、




過去か…



現在(イマ)か…



未来(アス)か…







あたしには、分らなくて…






「よし、始めるぞ…試合同様、今日は特別にピストル鳴らすからな。もちろん、スタートもOn Your Marks…でやるぞーっ!」




そういって、コーチは、スタートラインの横に置いてあった台に上がり、スターターピストルの準備を始めた。



その間も、瞬は話を聞いていたのか聞いていなかったのか…まだ動かなかった。



きっと、自分だけの世界に入ってしまっているんだ。



そこに他人は入って来ることはできなくて、ひたすら自分と向き合う世界。




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