【完】クールな君に胸キュン中!
「あっ!桐谷くん!」
廊下を歩いてると、急に背後から声をかけられた。
聞き覚えのある声に、無意識のうちに振り返ってしまう。
……なんでいつも、あんたは笑って俺のもとへやって来るんだろう。
今日は休みじゃなかったっけ?
だけど、目の前には確かに折原奈乃がいる。
「今朝は熱あったんだけど、すぐに元気になったから来ちゃいました!
やっぱりあたし、桐谷くんに会わない方がダメみたいです!」
「…………」
まだ何も聞いてないのに、俺の疑問に応えるようにそう言った。
だけど俺が無言なせいで、折原奈乃は少し焦った様子。
表情がコロコロ変わって、面白い。
……なぜだろう。
目の届くところにいるだけで、こんなにも心が落ち着く。