恋ごころトルク
「ぐすっ」
光太郎さん……。
「ちょっと」
「……?」
え、いまなんか……聞こえて……。
「なんで居るの?」
「……!!」
ガタッ。
「……静かにして……」
椅子、パイプ椅子……し、静かにしなくちゃ、ここは病室。
「お、起き……起き」
「オキ?」
「起きたん……ですか」
「おお」
鼻水を豪快にすすった。光太郎さんが、眉間に皺を寄せて、あたしのことを見てる。
「あ、あはは」
しまった。泣いてるところを見られた。やばい。なんであたしが居るのかとか、絶対悩んでる。なんでこのタイミングで起きるの。まだ寝てていいよ……!
ああでも、目覚めて良かった。いやでも、まだ寝てて欲しかった。どっちなのよ。混乱してる。
「……おはようございます」
「おはよう」
鼻水、鼻水をかまなくちゃ。起きたから、ええと……どうすれば良いの?
「俺、なんで? どうしたっけ?」
手を頭にやって、乱れた髪を掻いた。頭痛がするんだろうか。それと、そっち怪我した手なのに。
「作業中、倒れて……怪我してます。骨にヒビが入ってるそうです」
「えー……。そうか……病院来たことは覚えてるんだよ。あー頭いてー……」
搬送時は意識があったんだ。手当が済んでから眠ってしまったんだね。