恋ごころトルク


「俺と居ても、楽しくないかもよ?」

「そ、それは……聞きました。あたし」

 いじわるだ。もう2回目だよ。それを聞くの。なんでそんなこと言うの。ずるいよ。あたし、帰ろうと思って……。

「なんで泣いてんの?」

「す、好きだからです……光太郎さんがっ……!」

 笑ってる。なんなの。なんであたしが泣いてるところ見て、笑ってるのよ。

「強引」

「そうです、強引なんです……! だって、だってね、明日死ぬかもしれないし、地球が終わるかもしれないし」

「物騒だな」

「だって、だって、そうです」

「だってが多いよ。分かったよ」

 かもしれないってだけで、死にたくないし、地球も終わって欲しくない。

「だから、想うことは伝えない、と……後悔するから……」

 止めたはずの涙が頬を伝って、なんてあたしってずるいんだろうと思う。


「酷いこと言ったのに、俺」

「……う」

「ごめん」

「俺なんかで、良いわけ?」

「光太郎さんじゃなくちゃ、嫌です」

 ベッドから手を伸ばして、あたしの手を掴む。力強くて、温かい手。

「そんな、泣くほど心配してくれて」

 過去も、背中の赤い龍だって、あたしは受け入れる。光太郎さんは光太郎さんなんだから。あたしの好きになった、ただひとりの人。他に代わりは居ない。

「ごめん。ありがとう」

 光太郎さんが、笑った。熱で少し赤くなった頬。

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