恋ごころトルク

「……くっ。アハハハ」

 光太郎さんが笑い出す。もう、笑い事じゃないよ……ばか。

「もう、ちょっと、離してくださいよお」

「やだよ。また帰るって言うだろ」

 なんでそんなこと言うのよ! なんだよそれ、くそ可愛い。

「言いません、言いませんから」

 そう言ってるのに、光太郎さんは離してくれない。光太郎さん……エッチだなぁ。

「ああ、頭がクラクラする……」

 包帯をしてる手の甲を、額に当てた。

「えっ。ああ、そういえば風邪ひいて熱あるんですよね。どれくらい?」

「38度だった。朝、計った時」

「えー……」

 そりゃ具合悪くなるわ。まぁでも、解熱剤を飲んでるみたいだから、もう熱は下がるでしょう。

 光太郎さんは、まだ離してくれない。熱が伝わって、熱いくらい。この部屋、暖房効き過ぎてるのかな。

 あんなに、会話をするために話題を探していたのに、いまは無理に喋らなくても、彼を近くに感じる。不思議だな。

「バイク、見に行こうな。俺の後ろに乗る為に免許取るんじゃないんだから」

「うん……」


 バイクの後ろに乗せてくれる約束。バイクを見に行く約束。

 これから先、ふたりの間にはどれくらいの約束が積み重なって行くだろうか。

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