恋ごころトルク
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「今日も暑いねー。扇風機、回して行くからね」
きなこに直接当てないように、じゅうぶんに鳥かごから離して、扇風機を回す。あたしが出勤したら、きなこひとりぼっちになる。
暑いからって窓を開けて行くわけにもいかない。天気予報を見ながら、時折、タイマーでクーラーを点けていくこともある。
「熱中症は怖いもんね」
「ピョッ」
はい、元気なご挨拶です。今日もお弁当「サクラクック」は忙しくなるだろう。朝食の支度をする。
あれから。
あたしの普通二輪教習のことだけど、2段階見極めまではスムーズに進み、卒業検定一発合格を目指して望んだ。でも、見事に落ちてしまい、途方に暮れた。
「マジ? 落ちたの?」
「落ちちゃいました……」
「マジで言ってんの?」
「マジ……」
落ち込みますよそりゃ。次も受かる気がしない。なんか、卒業できないんじゃないかという考えさえ、頭をもたげる。ううーん、マイナス思考。
「まぁ、俺も1回落ちてるけどぉ……」
「……! じゃあ珍しくないじゃん!」
「まぁ待て、なんで落ちた? そこを重点的に練習するぞ」
クランクでパイロンをタタターンと倒してしまって、急制動で指定線よりはみ出して止まった。そこ以外はうまく行ったのに。安全確認、法規走行も完璧に近いくらいだったのに。
「俺は、一本橋で落ちて不合格だった」
「あたし、一本橋はうまいんだもんねーへへーん」
「むかつく。いいからいまから練習だ。練習するぞ、早く着替えて、ほら早く」
「ええ、うっそ!」