恋ごころトルク
 先生、もうちょっと達成感に浸ってもよろしいでしょうか……あっさり再挑戦を指示され、あたしは浸っている暇も無く、スタートする。

 次も、少しヨロヨロしたけどクリア。2回目の成功で自信が付いた気がする。あんまり調子に乗っちゃだめだけどね。

「良いね。でもクランク出る時に大回りになってるからそこ注意して。はいもう1回」

 ま、またなの……?

 スタートしてクランク、戻ってクランクを何度もやった。人生でこんなに狭いクランクを通ることなんかあるだろうか……いやいや、教習なんだからそんなことを言ってはだめよ真白。感覚を掴めってことよね先生分かります……。


 時間を半分ほど過ぎた頃、やっとクランク地獄から解放された。

「クランク良さそうだからね、じゃあ今日はクランクからスラローム、一本橋、S字っていう風に課題をやりますから」

 CB400の重さに耐えながらコンクリートのコースに立つ足は、以前よりも筋肉が付いたかもしれない。

 前回の教習も含め、クランクからの課題は、バランス感覚が物を言うね。ただ真っ直ぐ走れるだけじゃだめなんだ。目線、下を見ない、ニーグリップと半クラ!

 クランクをクリアしたあと、スラロームと一本橋、S字の説明を受け、お試しでやってみたりしながら、1時間目の教習は終わった。
 連続で乗る予定だったから、次の時間で消化だな。10分の休憩を挟んで、すぐ次の教習が始まる。

 クランクをクリアしたからか、スラロームもわりと大きな失敗が無く通れる。遅いんだけどね。スラロームと一本橋は秒数以下とか以上で通過するっていう決まりがある。

 さっきのお試しでは、一本橋はうまく通れたから自信があるけど、スラロームがちょっと苦手かもしれない。
 指定秒数以上かかり、グラグラしてしまう。

「スラロームも、クランクでやったこと含まれてるからね。目線注意、倒れそうになったら加速ね。車体倒さないと細かくは回れないから」

 先生がそう言って、クランクからスラローム、一本橋の課題を繰り返しやるよう指示される。

 クランクもスラロームも、モタモタしてグラグラバランスを崩して……。さっきうまく出来たクランクも、足を着いたりしてしまう。


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