恋ごころトルク

 レジ近くの、ショップのドアが開いた。タケさんの後ろに近寄る、ヒョロリと背の高い男性の姿……。それに気付いたタケさんは「電話した?」と話しかけた。お連れの方だったのか。

「今日、休みなんだって」

「なんだ、せっかく来たのに」

 あたしは最近、長身の男性をよく見る。ミナセに来ると大体そうなんだけど、どうして。背が高いからみんな目印にして集まるんだろうか。分からない。見上げながらそう思う。

「来る前に電話すれば良かったなー」

「まぁ、通りかかったから寄ってみただけだって言っておいたよ」

 タケさんと並んでまぁなんとも。壮観です。ごちそうさまです。ふんわりとして、優しそうな人だな。光太郎さんが体育会系だとしたら、この人は文系というか。なんて、勝手に想像してしまった。

「ああ、真白ちゃん。この人、誠太郎。光太郎ちゃんの弟」

「えっ」

 お、弟さん……! 光太郎さんの弟さん。そういえば5歳下の弟が居るって。セイタロウって。ああ、そうかこの人か。まさかこんなところで会うなんて。

「どうも」

 細い首を傾げて挨拶をされたので、あたしも習う。

「この子、真白さん。光太郎の彼女」

「違います」

「違うの?」

「違います」

 大事なことなので2回言った。

「違うの?」

 誠太郎さんまで。「違います」3回言ったけど、もう良いでしょうか……。まったく。勝手に決めないで欲しい。

「つき合ってんのかと思った」

 タケさんが真顔でそう言った。なんでそうなるんだろう。誰もそんなことひと言も言ってない。

「……つき合ってません……」

 からかわれてるな、完全に。別にいいですけど。口を尖らせていたら、タケさんがフッフッフと笑った。

「?」

「いや、なんでもない。いいんだ。フッフッフ」

 なにそのフッフッフって。もう。


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