専務が私を追ってくる!

私は社長の微笑みをチラッと見て、すぐに園枝さんに視線を戻した。

こういう時、社長が母の知り合いだとやりづらい。

「そうでしょうか。私、まだこの会社に来たばかりで何も知らないのに、秘書なんて務まりません。専務だって、新しくいらっしゃるんですよね。新人同士にするよりも、会社をよくご存知の方にお任せした方がよろしいと思います」

控えめに反論すると、社長は笑って拍手をし始めた。

私はわけがわからずポカンと社長の顔を見る。

「さすがだね。もっともだ。でも美穂ちゃん。僕たちは決して、秘書経験があるってだけで君を選んだわけじゃないんだよ」

「郡山さんは、冷静な判断ができるし、上司が相手でも理論的に話をする力があります。それに、あなたはまだ新人ですから、重要な仕事はまだ任されていない。新人であることが、逆にベストなのですよ」

褒められるのは素直に嬉しいが、気が重い。

秘書をやるなら、やはり見た目にも気を使うべきなのだろうか。

せっかく着飾りたい欲求を抑えるのにも慣れてきたのに。

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