専務が私を追ってくる!




「話があるんだけど」

修がそう言い出したのは、この日の夜の風呂上がりだった。

「何ですか、改まって」

「まあまあ、ちょっと座って」

私は修に促されるまま、リビングのソファーに座る。

修も一人分の間を空けて、横に座った。

まだ髪も乾かしていないのに、一体何だと言うのだ。

私は毛先にしたたってきた水を軽くバスタオルに吸わせて彼の方を向く。

先に入浴した修の髪もまだ半乾きである。

「郡山さん」

「はい」

「俺たちが今まで、あえて避けてきた話をしよう」

真剣な顔をして言うから、ドキッとした。

緊張が高まって無意識に拳を握る。

私たちが避けてきた話とは、当然、私たちの関係の話だ。

「断ったら、ダメですか?」

「うん、ダメ」

正体を明かしてから、数週間。

しばらくはお互いに何もなかったフリをしてきたが、一緒に暮らし始めてからは、修の方がその話題を小出しにして、私の反応を見ていた。

のらりくらりと逃げていたが、もうそれを許してはもらえないらしい。

私が一度深呼吸をして固唾を飲んだところで、修はあっさり切り出した。


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