専務が私を追ってくる!




この日の夜、予定通り、母が我が家へやって来た。

「ごめんねお母さん。仕事がもう少し早く終われば迎えに行けたんだけど」

「いいのよ。ちょうどいいバスがあったし」

私の母は、私よりも少し小さくて、スリムで、少しキツい顔をしている。

母と私たち姉妹はよく似ていると言われるが、私も将来老けたらこんなおばさんになるのかもしれない。

明日の同窓会に向けて気合いが入っているのか、白髪も染め直したばかりと見える。

「それにしても美穂、何なのその格好。あんたにしちゃあ地味になったわね」

やっぱり、バレるよね。

「ああ、うん。ちょっと落ち着こうと思って」

今の私。

美意識の高い母には、手抜きしているように見えているに違いない。

落ち着く、なんて言葉でごまかせないのはわかっている。

「あんた28で独身なのよ? 今ここで楽をし始めちゃダメじゃないの。女の品格が落ちるわ」

さっそく説教を食らってしまった。

奥様ほどではないが、娘の私から見ても、57にしてはキレイな母。

相変わらず手厳しい。

「はいはい、わかってる。それよりあのね、言ってなかったことがあるんだけど……」

とりあえず母をリビングのソファーに座らせ、冷蔵庫で作っておいた水出しのフレーバーティーをグラスに注いで出す。

「なによ」

「みゃーん」

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