専務が私を追ってくる!
「専務」
「なに?」
「専務と副社長って、仲悪いんですか?」
私の問いに、修はおさむ帳に書き込む手を止め顔を上げる。
「は? どうしたの急に」
「副社長からのメールって少ないなぁと思いまして」
秘書さんたち、私に愛想ないし。
前の会社では、役員同士の確執が常にあった。
うちの会社にも、もしかしたら……なんて。
「むしろ仲は良いと思うんだけど。北野さんには俺が小さい頃から可愛がってもらってるし、一緒に外回りした日にはいつもメシおごってくれるよ」
「そうですか」
私の考え過ぎか。
たまたま秘書の二人が無愛想なだけかな。
副社長自身は優しくしてくれるし。
まあ、細かいことを気にしていても仕方ない。
「ねぇ美穂、二人の時はその喋り方やめようよー」
出た、甘えん坊の末っ子体質。
家でも片付けられないし、テレビ見ながらお菓子食べてる途中でよく寝てるし。
私も二人姉妹の末っ子で、彼の方が2つ年上なのに、弟を持った気分になる。
「ダメです。オンとオフのけじめは付けてくださいね、専務」
「わかったよ、郡山さん」
修は少ししゅんとして、再びおさむ帳に向かった。