専務が私を追ってくる!
ただ、困ったこともある。
修のイメージが良くなっていくにつれて、女性社員からの人気もますます上昇。
事務所へ行くと、若い女子社員たちが「専務カッコイイ」と話しているのが耳に入ってきたりする。
女子社員にモテるのは別に構わない。
問題は、彼がモテている様子を見聞きして、私の心が歪みを覚えるようになってきたことだ。
「あなたたちが憧れているその専務は、私の男なのよ」
キャリア系ブランドの服を全身に纏い、高いピンヒールの靴を履いて、胸を張りながらそう主張してしまいたい。
封印したはずの嫌な女が、復活したいと胸の中で暴れている。
かけているメガネをピッと上げて、ダメだダメだと心を押さえ付ける。
着ているのは同じ制服だが、彼女たちは少しでも美しく見えるように試行錯誤されたメイクやヘアスタイルでキラキラ輝いている。
そのキラキラが私に立ち向かってくるような気がして、全力で潰してやりたくなる。
本気を出せば私の方がキレイなんだから。
そんな私を彼が選んだんだから。
修に色目を向ける女子社員なんて、みんな私の前にひれ伏せばいい。
私に敵わないと悟って、戦意喪失すればいい。
そんなふうに考えてしまう自分が嫌でこの町にやってきたのに、私がしたことには意味がなかったのかと不安になる。