専務が私を追ってくる!
「北野副社長」
修が副社長を呼ぶと、これからの東峰バスに期待する株主たちのキラキラした視線が一斉に彼を捕らえる。
「これからのN市と東峰バスは、北野副社長の働きなくしては成り立ちません。今後とも、よろしくお願いします」
決意を含む笑顔を見せ、頭を下げた修。
彼を認めざるをえなくなった副社長は、嬉しそうに笑い返して言った。
「任せなさい」
それから数分感、議長の仕切りなどおかまいなしに質疑応答が飛び交い、拍手が起き、所々で握手まで交わされた。
株主総会は無事に終了し、修と話し足りない株主のため、大会議室はそのまま株主懇談会の会場になった。
社長が
「せっかくやるなら寿司でも取ろう」
と言い出したため、私たち秘書は園枝さんの指揮でバタバタと手配を始める。
出前を取るため副社長秘書の二人が会議室から出た時。
「うわっ! なんだこれ?」
聞こえてきた声に、私も室外に出る。
「どうしました?」
「郡山さん。これ……」
水野さんが指を指す。
その先にあるのは、修が放置した荷物だった。
いつものカバンと、さっき見せていた額縁入りの任命状。
そして、猫のキャリーケース。