専務が私を追ってくる!
「みゃ〜ん」
「えっ? ミキとミカ?」
なんでこんなところに。
私を認識した猫たちは、嬉しそうにケースの中で暴れだした。
「この猫、知ってるんですか?」
山田さんがメガネをくいっと上げて覗き込む。
「ええ。うちの猫です」
もう修との関係はバレているのだから、隠したって意味がない。
キャリーを開けて2匹を取り出し、二人にミキとミカの顔を見せる。
「ミキとミカです。お寿司の手配、よろしくお願いします」
「にゃーん」
いつも無愛想だった二人の顔が、猫の効果で笑顔になる。
この二人もこんな顔ができるのかと、少し安心した。
「あーごめん。荷物放置してたんだ」
2匹をキャリーに戻していると、会議室から修が出てきた。
「どうして連れて来たの?」
「頑固ジジイを落とせたのは、もちろん長部社長の力もあるけど、こいつらの功績も大きいんだよ」
「え? 猫が?」
「あのジジイ、大の猫好きだった」
「それで話聞いてくれたの?」
「そう。この前子猫を飼ってるって言ったら異常に反応してたから、今日は一か八かで連れて行った。そしたらこいつら見るなりもうメロメロで。そしたらトントン拍子。今までの苦労って何だったんだろうな」
「あははははは!」
ミキ、ミカ。
君たちはもしかしたら、N市の未来を救ったのかもしれないね。