専務が私を追ってくる!
修はバス停を通過する度にバス停の名前を読み上げ、気付いたことがあったらおさむ帳に書き込んでいく……という作業をひたすら続ける。
私は景色を見ながら車を走らせる。
終点に到着したら、そこから別の路線のコースへ。
大通りは広くて運転しやすいが、交通量が多くて車線変更が大変だ。
だけど住宅地周辺の狭い道はもっと大変で、すごく狭いのに一方通行ではない道があったり、小学校の近くの道で子供が突然飛び出してきたりして危険が多い。
バス停に関しても、看板の部分が折れてしまっていたり、草木で覆われてわかり辛くなっていたりと、目で見て初めて気付かされることがたくさんある。
普通の事務をやっていた頃、何度かクレームの電話をもらったことがあったが、今になって不便さがリアルにわかってきた。
すぐに、というわけにはいかないのかもしれないが、早めに改善するようはたらきかけたい。
数時間続けていると、疲れや春の午後の日射しの魔力もあって、だんだん眠くなってきた。
こっそりあくびをして目をカッと開いたり、頭を振ったりして眠気を散らす。
「眠い?」
「少しだけ。でも大丈夫です」
「ずっと知らない土地を運転して疲れたよね。そこの店で少し休憩しよう」
「はい。ありがとうございます」