専務が私を追ってくる!
「どうせ金持ちの家庭で育ったボンボンだ」
「大した努力や苦労もせずに専務のポストに就いたくせに」
「そんな男に一体どんな仕事ができるというのか」
努力の甲斐なく私の性格が改善されていないことを証明するようで認めたくないけれど、正直なところ、私にもそんな気持ちはあった。
いくら見てくれがタイプでも、まだ本格的な仕事は始まっていないし、彼がどれだけ真剣に専務をやるかなんてわからなかったからだ。
でもまさか、こんなに大きな夢を持って挑んでいるなんて、思いもしなかった。
「すごい……」
私が呟くと、修が照れたように笑う。
「ちょっと大きく出過ぎだとは思うんだけど、N市の高齢化防止は中学生くらいから考えてたことだからね」
「ちゅっ……中学生?」
普通なら反抗期だったり頭の中ピンク一色だったりするお年頃。
いや、反抗期で頭の中がほとんどピンクだったとしても、片隅でこんなことを考えていたのがすごい。
私の中学時代なんて、いもしない彼氏をでっち上げて見栄を張ることに必死だった。
「うん。俺は生まれも育ちもN市だから。だんだん町が寂れていくのを肌で感じて、何とかならないのかなってずっと思ってたんだよ」
生まれながら次期社長として育てられてきた成果なのだろうか。
せせこましい私とは、人間の出来が違う。