専務が私を追ってくる!
ページをめくると、この一週間で会った人との会話の内容なども書かれている。
『土地開発公社〇〇さん』
『商店街自治会長△△さん』
社長はきっと、自分の息子だというだけで彼を専務にしたわけじゃない。
修はすでに、目標に向けて動き出している。
「社長は専務の目標をご存知なんですか?」
「んー、どうだろう。改まって話したことはないけど、俺が高校生くらいのときに、一度話はした記憶がある。でも本気にせずに忘れてると思うなー。もう少し具体的に見通しが立ったら、企画書にして正式に提案するけどね」
そう言って笑う彼は窓から差し込む日射しに照らされて輝いて見えた。
神からの祝福を受けているような感じがした。
私はもしかしたら、彼がこのN市を変えていく一部始終を、ずっとそばで見ていられるのかもしれない。
「私、全力でお手伝いします」
「うん、よろしく。でもその前に、ちゃんとN市に出資できるだけの利益を作らなきゃどうしようもないからね。まずは観光事業の拡大からやっていく」
「はい」
地味に事務をやっていた頃にはもちろん、前の会社で役員秘書をやっていた頃にも感じたことのなかったワクワクが高まっていく。
おさむ帳はきっと、この町の未来を変える歴史書になる。
きっと。