Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「若き当主の登場ね…」


「あの方が奥様。何でもレジのバイトですって…」


怜の隣に立つ私に招待客達の好奇な視線が集中する。


私を品定めするかのような目つきに全身が総毛立って、足は震えた。



「怖いか?紗月」


「ゴメンなさい…」


腕を組む怜は私の身体の震えに気づく。



「俺の為に最後まで…頑張ってくれないか?」


「怜…」


「俺の妻は君しかいない…」


「…判った。頑張ってみる」


私は最後まで立派に怜の妻を演じようと決意する。


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