Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
私と瀬川さんは、クリーム色のオフィス用の絨毯の敷き詰められていた廊下を歩き、ひときわ目立つ重厚な黒い両扉の前で立ち止った。


「社長室」


金色のプレートが扉の真上で輝いていた。


瀬川さんは扉をノックする。



「瀬川です。社長…」



「入れっ」


瀬川さんは扉を開けて、私を先に通す。



怜様は、上品な木製のプレジデントデスクに座り、パソコンを操作していた。



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