Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「サインする気にはなったのか?」



「サインですか?」


瀬川さんに背中を押されて、怜様の真ん前に立たされた。



「それよりも契約書はあるのか?」



「はい・・・」



私はリュックサックの中から、クリアファイルに挟んだ契約書を差し出す。



「…サインも捺印もないが…」



「それは…」



「まだ、迷ってるのか?」



「迷うのは当たり前です…」


「…答えは一つしかないのに…」



「会長の遺言では、2年以内に子を儲ければ、OK…いきなり、子を産めと言うのは理不尽でしょ?半年間は免除して、結婚だけにした方がよろしいかと思いますが…社長」


「瀬川…さん?」



「わかった…」



怜様は瀬川さんの提案に素直に従い、契約書を修正した。



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