Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
「これ以上の修正はしない…」
「この内容で合意の上、サインしていただけますか?」
瀬川さんは怜様の修正した契約書を私に渡す。
契約内容は怜様有利なのは変わらないが、子作りの猶予は半年間延期された。
それまでに、私以外の女性に本気で惚れるコトを期待し、子を産む義務だけは回避したい。
いつまでも、友人の美央ちゃんの世話になるワケにはいかないし。
私はソファに座って、契約書にサインして、持っていた判子で捺印した。
「契約成立だな…」
怜様が、私の目の前のソファに腰を下ろして契約書を手にした。
「原本は俺が預かる。瀬川…紗月用にコピーを頼む」
「承知しました」
怜様は瀬川さんに契約書を渡し、コピーを命じた。