Fake love(1)~社長とヒミツの結婚契約書~
医師の指導に寄れば、今の状態では判断しにくいとの所見。

基礎体温表を3ヵ月間。

基礎体温から排卵日前後を予測して、来院してエコー検査をするコトになった。

「私…暫く通院しなきゃいけないのね…」


「不妊とは言われなかったんだろ?」


「データとなる基礎体温がないし、先生も判断できなかったのよ」


怜は滑らかにハンドルを握り、湾岸沿いの道路をひた走った。


私は初夏の陽射しに反射してキラキラ光る海を眺める。


怜は海を眺める私を気転を利かせて、パワーウィンドーを開いた。


潮の香りにキモチが浮き立った。



「紗月君には辛いコトを思い出させてしまったな…」


「車止められないかな?」



「もう少し先に行けば、ヨットハーバーがある。そこなら、車を停められるかも」



「そこまで頑張って走って」



「了解」


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