美狐はベッドの上で愛をささやく
というか、雑誌に載っているような、綺麗なラインをしていた体なら力を緩めるのかって言われると、そんなこともないけれど、
でも、髪を格好いい人に洗われているわけだし、
どちらかといえば、年もそこまで離れているわけでもないし……。
ムリ。
肩に力が入りすぎてガチガチになっているわたしと違って、紅さんは面白そうにクスクスと笑う。
そのたび、わたしのうなじにあたたかな息が当たって、くすぐったい。
そうすると、さっきよりもよけいに肩が縮こまってしまった。
「紗良ちゃん?」
紅さんがわたしの耳元に向かって囁いた。
「っ、やっ」
おかげで変な声が出てしまう。
慌てて口を両手で隠した。
そうしたら、紅さんはまたクスクスと笑う。
……恥ずかしいっ!!
「お湯、流すからね。熱かったら言ってね」
あたたかい息がわたしの耳を直撃する。
そのたびに、わたしの体が震えた。