確信犯
緊迫していた空気は。
中途半端になったハズなのに。
突然、真剣に。
『バカだ』と言われて。
軟弱化していた自分を思い出した。
「オマエが自分を見失うなら、俺の中のオマエを信じろ。俺の中のオマエは唯一だ。生まれてくれて良かったと、俺は思ってる」
――さっきの存在否定
聴いてた、の?
後ろめたいような私とは違って。
匠には。
迷いがない。
うっかり。
その自信に見惚れて。
言葉を失った。
「無謀なコトばっかするけど、それが可愛くて、愛おしくてどうしようもない。他の誰かじゃダメだ。ダメなんだよ」
匠の吐息が耳にかかって。
囁きが、私に染み込んだ。