確信犯
匠は。
私を引き寄せて。
私の両手首の拘束を、
解いていく。
「オマエを諦めたら後悔する」
鼓膜に。
匠の声が染み込む。
「オマエはきっと…もっと、大事にされてる方がイイ。愛されてんのが似合うよ」
――『俺に』
掠れるくらい小さな声がして。
私の両手首は、自由になった。
匠の声は。
皮膚からカラダの奥底に浸透する。
その感覚を逃したくなくて。
追いかけると。
ナニかが込み上げた。
与えてもらうばかりで
返し方がわからなくて
優しさがいっぱいすぎて
苦しくなる