志ーこころー 【前編】─完─
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「はいるぞ。」
ーーーーガラッ
入ってきたのは土方だった。
志乃「入っていいなんて言ってないけど。」
志乃は仏頂面で、寝たままで答える
土方「……すまなかった……。」
土方は深く頭を下げた
え、頭下げられても……
返しに困るよ、うん。
さてどうするか……
土方「……女だとは……知らなかったとはいえ……拷問に掛けたのは紛れもない事実だ。ほんとうに……すまない……」
なおも謝り続ける土方。
鬼の副長の面目丸潰れだな、こりゃ。
志乃「……別に。言わなかったのはあたし。
そしてこうなることのほうを選んだのもあたしだし……。おたくらが勝手に男だって勘違いしてくれたお陰であたしは女の屈辱をうけなくてすんだ……つっても勝手なあたしの想像でこうなったし。あんたらは別に恨んでない。……殺すってあんたらに言ったけど、もういいよ。チャラだ。水に流す。」
そういっぺんにまくし立てたら、きついはずの体が、楽になった気がした。
多分……多分だけど、あたしが思ってるほど冷血なやつらじゃないとわかったから。
もう、後はなんとでもなれ~っと、半ばやけくそで土方の言葉を待た。
土方「女の癖に、強いな……」
志乃「……強いだけが取り柄なんでね」
その後は、なぜか笑いが止まらなくて、背中の傷口が痛むのもお構いなしにカラカラと笑い続けた