志ーこころー 【前編】─完─
ー土方sideー
志乃は、許すと言った。
ほんとうに申し訳ないことをしたと思っている。
山崎いわく、背中の傷は幸い破傷風の心配はないそうだ。
とりあえず、ホッと一息ついた。
……にしても……
なぜあの志乃を男と間違えたのだろう……
平助が少年、と言ったのを鵜呑みにしてしまった自分が愚かでどうしようもない。
明るいところで志乃を見ると、どう見ても女だ。
薄暗くてあまり顔なんて見てなかったからなぁ……
志乃がこっちを見た。
ーーーー赤い……?
瞳は黒ではなく、燃えるように真っ赤だった。
ハッとしたものの、気づいてない振りをした
なぜなのかわからないが、触れてはいけないような……直感だ
兎に角、こいつの傷が治らない限りここからでられたら困る。
ひとしきり笑ったあと、志乃は吸い込まれるようにして眠りについた。
土方「(……お前はなにモンだ……?)」
志乃の傍らに座ったまま、長いこと土方は動かなかった。