泣きたい夜には…~Shingo~
クリスマスが終わり、新しい年を迎えたある日、
休日だった俺は、当直明けのひとみを迎えに大学病院へ行くと、
「成瀬さん!」
呼び止められ、振り返ると、向井先生が赤ちゃんを抱いた奥さんを伴って、病院から出てきたところだった。
「退院ですか?おめでとうございます。赤ちゃん大きくなりましたね」
向井先生は笑って、
「ようやく体重が、2500を超えてね…体力もついてきたし、浅倉からようやく退院の許可が出たよ」
すっかり父親の顔になっていた向井先生から幸せのオーラが溢れていた。
「お名前、何て言うんですか?」
俺が聞くと先生は恥ずかしそうに、
「名前はひらがなで『ひとみ』」
ひ、ひとみ、って…
えっ……
えぇぇぇっ!!!!
「ちょっ…向井先生!いいんですか?」
小声で話しかけるも、俺が動揺する様子に先生は笑って、
「あぁ!これは浅倉にも了解済みだし、香澄のたっての希望でね」
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