泣きたい夜には…~Shingo~



いつもなら、こんな女めんどくせーと思うのに、


何だろう?この気持ちは…


深い悲しみの淵にいる彼女を救ってあげたい。


もう一度、あの笑顔を見たい。


心からそう思った。


彼女はひとしきり泣くと、


「ごめん、ティッシュ取ってくれる?」


急いで近くにあった箱ティッシュを取ってあげると、彼女は涙と鼻水を拭いてようやく顔を上げた。


「ありがとう、もう大丈夫…

あぁぁぁ!!!ごめんなさい!!!シャツがびしょびしょ」


ははは…。


俺のシャツは彼女の涙と鼻水でとんでもないことになっていた…。


「あぁ、大丈夫大丈夫!遅いからもう帰るし…」


そう言うと、彼女は強い口調で、


「ダメよ!だって今夜はとことん付き合ってくれるって言ったじゃない!」


へっ!?


た、確かにそうは言ったが、社交辞令という言葉を知らないのか?このお嬢様は。



.
< 26 / 156 >

この作品をシェア

pagetop