泣きたい夜には…~Shingo~



「うーん…カナコちゃんの抜管しましょう」


ひとみの寝言に、


「お前は夢の中でも仕事してるのか?」


思わずツッコミをいれてしまった。


車がちょうど赤信号に捕まったその時、


「慎吾…大好き!」


えっ…
助手席のひとみは満面の笑みを浮かべて眠っていた。


ったく、反則技使いやがって…


「そんなこと言うと、襲うぞ」


夢の中のひとみにそっと呟いた。


それからしばらくして車を旅館の駐車場に停めて、ホッと一息吐いた後、


「おーい、着いたぞ~!」


爆睡中のひとみに声をかけると、ひとみは寝ぼけた様子で、


「着いたの…えぇぇっ!!!?」


慌てて飛び起きた。


「ごめん!慎吾!せっかくの旅行なのにひとりで寝ちゃって」


必死に謝るひとみに、


「せっかくの休暇なんだ。気にしないでゆっくりしような。

ただし…」


安堵の笑みを浮かべたひとみの表情に緊張が走る。



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