Queen of the Night
「お姉さん、大丈夫だよ。」


そんな中、隣に座っていた12歳くらいの男の子があたしの手をギュっと握り、笑顔を見せる。


『大丈夫って?』


「きっと団長が助けてくれるから!」


『団長?』


「うん!そうだよ!
僕たちの団長が助けてくれる。
だから、大丈夫だよ!」


何故、この男の子があたしに言ったのかわからない。

それに、人身売買から助かる方法なんてない。

なのにこの男の子はその団長が助けてくれると信じている。


『…そっか。信じてるんだね。団長さんのこと。』


あたしはそう言って、黒き鎖の手枷がついた手で男の子の頭を撫でた。


と、そのとき。


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