Queen of the Night
「ち、さすがリディア様。
だが、それは想定内だ。」


『…⁉︎』


ディックは呪文を唱えはじめた。


「古の力で汝の力を封じる”封印(シール)”」


『っ、い、やぁ!』


胸元に焼き付くような痛みがはしる。


「ハハハ、ハッハハハ!」


『嫌、父様、母、様…』


そしてしばらくすると体の力が抜けていく。
自力で立つことができないくらいに。
あたしは地面に座り込んだ。


『っ、はぁ、はぁ、』


「とてもいい刻印だ、リディア様。
よく似合っている。」


ディックはあたしの胸元を見てそう言った。
あたしは、自ずと胸元に目を向ける。



< 65 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop