僕の幸せは、星をめぐるように。
「あーたまげたぁ~。どうしたぁ? 急にボロボロ泣きだして~」
「ごめーん。最近ちょっと涙もろくてさー」
そのまま、とけかけた雪が残る国道沿いを歩き、カラオケ屋に入った。
L字型になっているソファーの、長い方にわたしとユカチン、短い方にクニオが座る。
「よし、トシミ、ここなら大丈夫だぁ。いっぱい泣け!」
と言って、ユカチンが頭をなでなでしてくれた。
わたしは「もう泣きやんでるってぇ」と言いながらも、その優しさに再び涙が出そうになる。
テレビ画面の映像に沿って、部屋の中は明るくなったり暗くなったりしていた。
「……俺、この前阿部ちゃんに相談された。おめぇが最近おかしいって」
クニオが急に真面目な顔になり、そうつぶやく。
「そりゃ、遠恋になるから仕方ねーべ?」とユカチンが言ったが、
「いんや、それとはちょっと違うかもって。あんま連絡くれなくなった、とか、急に悲しい顔で黙りこむ、とか」とクニオは返した。
わたしはウーロン茶をストローですすった。
思い当たる節はもちろんある。
でも、阿部くんには理由を言えない。
言ったら全部が終わってしまう気がするから。
スピーカーから聞こえる流行りの曲がうるさかったのか、ユカチンはテレビの音量を下げた。
隣の部屋からの微妙な歌声がかすかに聞こえてくる。
「阿部ちゃんさ、初めてなんだぁ。そういうこと相談してくれたの」
「へ?」
「あんまさ、俺らにそういう姿見してくんねぇから。阿部ちゃんも相当悩んでるんでねーかな、って……」
クニオはそう言って、ソファーに深く座りなおしてため息を吐いた。
ユカチンも私のすぐ横でクニオと同じように息を吐き出している。
わたしの頭を撫でる手、ぐっと力が込められた気がする。
「…………」
たぶん、ユカチンは弱っているわたしに向かって、こう言いたいのを我慢しているんだと思う。
あんたら、また隠しごとしてるんじゃないの? って。