キスはワインセラーに隠れて


「俺はブレンド。……お前は?」


カウンターでメニューを前にした私は、ううんと唸る。

ホイップいっぱいのキャラメルラテもいいし……ああ、期間限定のやつも美味しそうだな。


「……この、スイートバニララテにします。あ、チョコチップとチョコレートソースのトッピングも!」

「かしこまりました」


笑顔で答えてくれる可愛い女性店員さんに、思わずこちらも口元を綻ばせていると。


「……女子かよ、お前」


お財布を開いた藤原さんが、呆れたように私を見てる。

……あ、やば。思わず自分の好きなように注文しちゃった……!


「つ、疲れてる時は甘いものが欲しくなるんです!」


苦し紛れにそう言ってみると、藤原さんは私を嘲笑うように言った。


「お子様」


う、うるさいなぁもう……!

いいじゃない、何飲んだって!


「……本のことばらしますよ?」


飲み物の出てくるスズランみたいな形のランプの下で、私は意地悪くそう言ってみる。

もちろん本当にばらす気はないけど、いつも藤原さんにはからかわれてばかりだからささやかな抵抗。


< 25 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop