キスはワインセラーに隠れて
「俺はブレンド。……お前は?」
カウンターでメニューを前にした私は、ううんと唸る。
ホイップいっぱいのキャラメルラテもいいし……ああ、期間限定のやつも美味しそうだな。
「……この、スイートバニララテにします。あ、チョコチップとチョコレートソースのトッピングも!」
「かしこまりました」
笑顔で答えてくれる可愛い女性店員さんに、思わずこちらも口元を綻ばせていると。
「……女子かよ、お前」
お財布を開いた藤原さんが、呆れたように私を見てる。
……あ、やば。思わず自分の好きなように注文しちゃった……!
「つ、疲れてる時は甘いものが欲しくなるんです!」
苦し紛れにそう言ってみると、藤原さんは私を嘲笑うように言った。
「お子様」
う、うるさいなぁもう……!
いいじゃない、何飲んだって!
「……本のことばらしますよ?」
飲み物の出てくるスズランみたいな形のランプの下で、私は意地悪くそう言ってみる。
もちろん本当にばらす気はないけど、いつも藤原さんにはからかわれてばかりだからささやかな抵抗。