月光-ゲッコウ-


無責任…


普通に考えればそうだと思う。



でも、あたしは奥さんと離婚して欲しいとは思わない

だからと言って、愛人のままも嫌だ…


上手くいえないけれど…



「良く言えば不器用な愛情…、悪く言えば異常な愛情。人の心を無視して無理にとどめるなんて、それでは幸せになれないわ。社長は可哀想な人…そんな事も気づかない。」


麻生さん…。


目には涙がたまっていた。

社長はなぜ、麻生さんを愛さなかったの?


きっと幸せになれたのに…


なんであたしなんか…



「あなたが社長を愛して、社長と幸せになってくれたら、あたしは嬉しいわ。だけど、そうはいかないでしょ?あなたは自分が幸せになる道を選べばいいのよ。子供の為に無理に社長といる事はないの。子供を生むからイコール社長といるっていう選択肢だけじゃないわ。」



子供を生むのがイコール、社長といるっていう選択肢だけじゃない?


「私は何も力になってあげれないけど、これだけはわかって。あなたの幸せも、子供の幸せも、すべてあなた次第なの。」


あたし次第…


< 68 / 80 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop