LB4
えみちゃんを、ナメていた。
こんなに化けるとは思っていなかった。
ていうか半年前に会ったときは中学の頃のままだったじゃないか。
前髪ぱっつんで厚手のパーカーで安っぽいムートンブーツで、風船を持って楽しそうにぴょんぴょん飛び跳ねていたじゃないか。
一体この半年で何が起きたんだ?
「びっくりした。すっかり大人っぽくなっちゃって」
「でしょでしょー! 部活引退したし、推薦で専門学校も決まったから、残りの高校生活ではっちゃけようと思って」
やはり女は恐ろしい生き物だ。
はっちゃけただけでこれだけの色気が発生するのか。
これも母譲りなのかもしれないな。
「まゆみさんは元気?」
「うん、元気だよー。大悟くんの話をしたら、久々に会いたいって言ってた」
「そっか。途中でまゆみさんの店に寄る?」
「残念でした。ママも今日は彼氏とデート」
「はは、じゃあまた今度だね」
俺の中の何かが「ヤバい」というサインを出しているような気がする。
いやいや、大丈夫だろ。
いくら節操なしの俺でも、えみちゃんにまで手は出さないさ。
飲み物を買って車に乗り、出発。
車に乗り込んでから気づいたけど、えみちゃん、まゆみさんと同じ香水をつけている。
いやいやいや、大丈夫。